相続が発生すると、戸籍の収集や財産の確認、遺産分割など、さまざまな手続きが必要になります。できるだけ費用を抑えるために、「自分で進められるところまでは対応したい」と考える方もいるでしょう。
一方で、相続財産に不動産が含まれている場合は、誰が相続するのかを決めたり、相続登記の準備をしたりと、判断が難しくなる場面もあります。すべてを自分で進めようとすると、必要書類の不足や手続きの見落としにつながることもあります。
この記事では、相続手続きで自分でも進めやすいこと、不動産がある場合に確認したいポイント、専門家へ相談したほうがよいケースをわかりやすく解説します。自分で進めやすい部分と、専門家へ相談したほうがよい部分を分けて考えると、無理なく手続きを進めやすくなります。
相続手続きは自分でどこまでできる?
相続手続きには、相続人の確認や財産の整理、遺産分割の話し合いなど、いくつかの段階があります。内容によっては、専門家へ依頼せず自分たちで進められる部分もあります。
まずは、どのような手続きが必要になるのかを整理し、自分で対応できそうな範囲を確認してみましょう。
相続人を確認する
最初に確認したいのが、誰が相続人になるのかという点です。
配偶者や子どもなど、家族構成によって相続人は変わります。相続手続きを進める際は、被相続人の戸籍をたどりながら、法定相続人を確認していく必要があります。
家族関係が比較的シンプルで、戸籍も集めやすい場合は、自分で確認できることもあります。一方で、前婚の子どもがいる場合や、相続人が多い場合などは、確認に時間がかかることもあります。
相続財産を整理する
次に、どのような財産があるのかを整理します。
預貯金や現金だけでなく、不動産、有価証券、自動車なども相続財産に含まれます。また、借入金などの負債がある場合は、それもあわせて確認しておく必要があります。
通帳や固定資産税の納税通知書、証券会社からの書類など、手元にある資料を集めながら一覧にすると整理しやすくなります。
遺産分割について家族で話し合う
相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を相続するのかを話し合います。
預貯金のように分けやすい財産だけであれば比較的整理しやすいですが、実家や土地などの不動産がある場合は、分け方について意見が分かれることもあります。
話し合う際は、「誰が住み続けるのか」「売却するのか」「ほかの財産とのバランスをどうするのか」なども含めて考える必要があります。家族同士で合意できる場合は、自分たちで進めることも可能です。
必要書類を集める
相続手続きでは、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書など、さまざまな書類が必要になります。
どの書類が必要になるかは、預貯金の解約や不動産の相続登記など、手続きの内容によって異なります。そのため、手続きを始める前に必要書類を確認しておくことが大切です。
比較的シンプルな相続であれば、自分で書類を集めながら進められることもあります。ただし、相続人や財産の状況が複雑な場合は、途中で判断に迷うこともあるため、無理にすべてを自分で進める必要はありません。
不動産がある相続で確認しておきたいこと

相続財産に土地や建物が含まれている場合は、預貯金だけの相続よりも判断することが増えます。特に、誰が引き継ぐのか、名義をどうするのか、将来的に売却するのかといった点は、早めに整理しておくことが大切です。
不動産は簡単に分けにくいため、家族で話し合う際も、それぞれの希望や今後の使い方まで含めて考えていきましょう。
誰が不動産を相続するのか決める
まず確認したいのが、土地や建物を誰が相続するのかという点です。
たとえば、実家に住み続ける家族がいる場合は、その人が相続する方法を検討できます。一方で、相続人全員が遠方に住んでいる場合や、誰も利用する予定がない場合は、売却を前提に考えることもあります。
不動産だけを一人が相続すると、ほかの相続人との財産配分に差が出ることもあります。預貯金などほかの財産とのバランスも見ながら、家族で話し合うことが大切です。
相続登記に必要な書類を確認する
不動産を相続した場合は、名義を相続人へ変更するための相続登記が必要です。
相続登記では、被相続人や相続人の戸籍、住民票、遺産分割協議書など、状況に応じて複数の書類を準備します。相続の内容によって必要な書類は変わるため、事前に確認しておきましょう。
書類に不足があると手続きが進まないこともあります。自分で対応する場合は、必要なものを一覧にしてから集めると整理しやすくなります。
共有名義にするか慎重に考える
兄弟姉妹など複数の相続人で不動産を共有する方法もありますが、将来の使い方まで考えて決めることが大切です。
共有名義にすると、一人だけの判断で売却や大きな変更を進めにくくなることがあります。また、時間がたって相続が繰り返されると、関係者が増えて話し合いが複雑になる場合もあります。
「公平に分けたいから」とすぐに共有名義を選ぶのではなく、誰が利用するのか、今後売却する可能性があるのかまで考えて判断しましょう。
売却する場合の方針も整理しておく
相続した不動産を誰も利用しない場合は、売却を検討することもあります。
ただし、売却するには相続人同士で方針をそろえたり、名義を整理したりする必要があります。売却時期や価格について意見が分かれる可能性もあるため、早めに話し合っておくことが大切です。
また、売却によって税金が発生する場合もあります。不動産を残すか売るか迷っている場合は、手続きだけでなく、その後の費用や管理負担も含めて考えておくと判断しやすくなります。
専門家へ相談したほうがよいケース
相続手続きは自分で進められる部分もありますが、相続人や財産の状況によっては判断が難しくなることがあります。特に、不動産が含まれていたり、必要書類が多かったりする場合は、途中で手続きが止まってしまうこともあります。
すべてを自分だけで抱え込まず、難しいと感じる部分が出てきた段階で専門家へ相談することも検討しましょう。
相続人や財産の確認が難しい場合
相続人が多い場合や、家族関係が複雑な場合は、誰が相続人になるのかを確認するだけでも時間がかかることがあります。
また、預貯金や不動産、株式など財産の種類が多い場合は、全体像を把握するのが難しくなることもあります。見落としがあると、その後の遺産分割や手続きにも影響するため、自分で整理するのが難しい場合は専門家へ相談するとよいでしょう。
不動産の分け方で家族の意見がまとまらない場合
実家や土地などの不動産は、預貯金のように簡単に分けられません。そのため、「誰が相続するのか」「売却するのか」「共有にするのか」といった点で意見が分かれることがあります。
話し合いがまとまらないまま進めると、手続きが長引く原因にもなります。家族だけでは整理が難しい場合は、状況に応じた専門家へ相談し、どのような選択肢があるのか確認してみましょう。
相続登記や必要書類に不安がある場合
不動産を相続する場合は、相続登記の手続きが必要です。
必要となる戸籍や住民票、遺産分割協議書などは、相続の状況によって異なります。「どの書類を集めればよいかわからない」「書類の作り方に自信がない」と感じる場合は、専門家のサポートを受ける方法があります。
自分で途中まで準備したうえで、分からない部分だけ相談することもできます。
相続税の申告が必要か判断できない場合
相続財産の金額や内容によっては、相続税の申告が必要になることがあります。
特に、不動産は価値の判断が難しく、預貯金だけを見て申告の要否を決められない場合もあります。相続税がかかる可能性があるのか分からないときは、早めに税理士などへ確認すると安心です。
自分だけで進めるのが難しいと感じた場合は、相続手続き全体を整理してもらえる専門家へ相談する方法があります。大阪で相談先を探している方は、大阪で相続相談に対応している窓口を確認してみるとよいでしょう。
まとめ|自分で進める範囲と相談する範囲を分けよう
相続手続きは、相続人の確認や財産の整理など、自分で進められる部分もあります。一方で、不動産が含まれると、分け方や相続登記など判断が難しくなる場面も増えます。
まずは相続人・財産・不動産の扱いを整理し、自分で対応できる範囲を確認してみましょう。難しい部分だけ専門家へ相談する方法もあるため、無理にすべてを自分で進める必要はありません。
状況に応じて専門家の力も借りながら、必要な手続きを一つずつ進めていくことが大切です。
